モノグルタミン酸葉酸とポリグルタミン酸葉酸のお話
葉酸は水溶性のビタミン。
その役目は「赤血球の形成を助ける栄養素」であり「胎児の正常の発育に寄与する栄養素」といった、自身の生命活動や次世代の健康なからだを作るために、非常に大切な栄養素です。
実はこの葉酸には、二種類あるということをご存知でしょうか。
それが「モノグルタミン酸」と「ポリグルタミン酸」です。
モノグルタミン酸とポリグルタミン酸とは
モノグルタミン酸型葉酸とは、化学的に作られた合成葉酸で、実はほとんどのサプリメントや加工食品に配合されているのはこの「モノグルタミン酸」の葉酸です。
一方、野菜や果物など、自然の植物に含まれる葉酸はポリグルタミン酸で「食事性葉酸」とも言われます。
ちなみに意外ですが、ホウレンソウやアスパラガスなどの植物性食品だけでなく、動物性食品であるレバーなどにも多く含まれています。
モノグルタミン酸とポリグルタミン酸の違い
端的に言うと、食べたポリグルタミン酸葉酸が、吸収のために体内で変化したのがモノグルタミン酸です。
詳しく解説すると
食べ物として口から摂取した「ポリグルタミン酸型葉酸」
↓
消化管の酵素によって消化
↓
「モノグルタミン酸型」に変化
↓
小腸の上皮細胞から吸収
という道筋となります。
ここで問題が発生します。
葉酸は水溶性。そして熱に弱い、という弱点を持ってるため、食べる前、加熱など調理すると、量がまず約半分に減ります。
さらに体内での利用率はそこからまた半分。
つまり、実際に葉酸が利用されるのは、1/2 x 1/2=1/4 と4分の1!25%!!
食事からの葉酸であるポリグルタミン酸だけで、十分葉酸を摂取するのは結構難しいということが、おわかりいただけるでしょう。
そこで
「初めからモノグルタミン酸型であれば、無駄なく葉酸を活用できるのでは!?」と考えれて、作られたのが合成葉酸。
実際、体内での利用効率は約85%と、ポリグルタミン酸の約3倍です。
なので、市販の大半のサプリメントは合成葉酸を採用しています。
ちなみに、厚生労働省が出す食事摂取基準は、合成葉酸である「モノグルタミン酸型」として換算されています。
モノグルタミン酸の問題点
ここで、葉酸の不足した場合と過剰な場合の問題点をみてみたいと思います。
葉酸が不足すると、動脈硬化のリスクが高まったり、造血機能が異常を来たし、巨赤芽球性貧血、神経障害や腸機能障害などが起こります。
また、胎児の神経管形成期である受胎前後~妊娠初期までの間に葉酸の摂取が足りないと、胎児の神経管閉鎖障害のリスクが高まると報告されているため、厚生労働省でも、妊娠を希望する女性は、妊活中から一日400μgの「モノグルタミン酸型」葉酸をサプリメントとして摂るよう、推奨しています。
一方で葉酸を過剰摂取すると、発熱やじんましん、かゆみなどを引き起こすおそれがあります。
また近年では、妊婦さんが葉酸を過剰摂取すると、生まれてくる子供の小児喘息の例も報告されています。
このため、厚生労働省の食事摂取基準は、葉酸の耐容上限量を「モノグルタミン酸型」として一日1000μgとしています。
ですが実際の体内の活用率は、人によって違います。
合成葉酸の「モノグルタミン酸型」は吸収率が良い点が長所。しかし、吸収率が良い人が長期間摂った場合、どうでしょうか?知らずしらずに過剰摂取になっていないでしょうか?
吸収率が良いからこその過剰摂取の心配。近年、モノグルタミン酸型の問題として挙げられるようになったのです。
モノグルタミン酸型からポリグルタミン酸型へ
過剰摂取の点から、やはり葉酸はモノグルタミン酸型ではなく、通常の食事に含まれる食事性葉酸の「ポリグルタミン酸型」が安心です。
先程申し上げたように、食事性葉酸の相対生体利用率は約50%、合成葉酸に劣りますが、食事性葉酸で置き換えた場合、合成葉酸「モノグルタミン酸型」の倍の量を摂れば、合成葉酸と同じです。
例えば、合成葉酸での推奨量が240μgの場合、食事性葉酸では480μgとなります。妊活中の女性に推奨されているプラス400μgは「モノグルタミン酸型」葉酸として考えられているので、その分を食事性葉酸「ポリグルタミン酸型」に換算すると800μg。
妊活中の方は食事性葉酸「ポリグルタミン酸型」800μgを毎日摂ればよいのです。
ただ、実際には800μgの葉酸を、毎日普通の野菜や肉からだけで摂取することはかなり難しいので、最近では、食事性葉酸が一日800μg摂取できるようなサプリメントや健康食品が開発されています。
ながいきや本舗オリジナルの「ながいきや本舗の葉酸サプリ」も、食事性葉酸「ポリグルタミン酸型」を配合しています。
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参考資料:
厚生労働省 「日本人の食事摂取基準」(2015年版)
国立健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報 葉酸解説 – 「健康食品」の安全性・有効性情報
国立健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報 妊娠中の食事とサプリメントについて
私が書いています
1966年11月山口県生まれ。丙午のさそり座で、超気性は激しいはずですが、実際は…?2009年よりながいきや本舗店長として、たくさんのお話をお伺いしています。
また、TCマスターカラーセラピスト、食育指導士としても活動しています。
家族は旦那。夫婦二人を謳歌中です。