葉酸の誤解
葉酸って「妊活するならまずは葉酸」って言うくらい、妊活を始める時に一番最初に摂るサプリメントかもしれません。
それだけ良く知られている「葉酸」ですが、葉酸を摂ったら妊娠できる、って思っていませんか?
実は違います。
葉酸は「摂れば妊娠できる」というものではなく、おなかに宿った新しい命が健全に育つために必要な栄養素なのです。
それも、妊娠したら摂ればいい、のではなく、妊娠前から摂取が必要です。
少し詳しく説明させていただきますね。
葉酸と胎児の成長
葉酸については、厚生労働省も妊娠一ヶ月前から妊娠三ヶ月までは、一日400μg(合成葉酸換算。食事性葉酸の場合は800μg)をサプリメントで摂るようすすめています。
その理由は、胎児の脳や脊髄などの中枢神経系のもとである神経管が閉鎖することで起こる「二分脊椎」や「無脳症」などの先天異常のリスクを減らすためです。
この神経管は、妊娠のごく初期、4~5週頃に作られますので、この時期に葉酸が不足すると、この神経管閉鎖障害のリスクが高まります。
ただこの時期は、通常妊娠にまだ気づかないということも多く、妊娠がわかった時にはもう遅い、ということにもなりかねません。
なので、妊娠前から摂取が必要なのです。
葉酸と妊娠しやすいからだつくり
とはいえ、葉酸は母体側、つまり妊娠しやすいからだつくりに全く関係がない、というわけではありません。
むしろ「おおあり!」です。
ただ、葉酸を摂れば妊娠できる、というものではない、ということです。
葉酸には「造血」、つまり血を作る役割もあります。
これはもうわかっていますね。血液は生命活動において、最重要な要素。
老若男女、世代も性別も超え、人間の健康のために欠かせません。
そして、妊娠しやすいからだのベースとなる、非常に大切な基本的な要素です。
なぜなら血液によって、口から摂った栄養素も酸素もホルモンなど、必要なもの全てが卵巣や子宮などの臓器に届けられるからです。
また血液には、老廃物の回収という役割もありますので、細胞の代謝にも大きく関わっています。
受精卵を受け止め新しい命を育てる場所となる子宮内膜も、血管の塊です。
その子宮内膜の血流を通して、赤ちゃんとママとはコミュニケーションを取り、妊娠を進めていきます。
その血液が少なく流れが悪いと、せっか摂ったものが卵巣や子宮に届かないですし、赤ちゃんとママとのコミュニケーションが取れず、妊娠が成立しなくなります。
つまり、そのように妊娠しやすいからだ作りに必要な血液を造るために、葉酸は欠かせないのです。
造血のために必要な栄養素
血液を造ることは、人間の健康のための超基本。
そして同じく妊娠しやすいからだを作るための最重要課題。
でも造血に必要な栄養素は、葉酸だけではありません。
他にも、鉄、銅、マグネシウムなどのミネラルやビタミンB12が造血のために特に大切な栄養素です。
この分は、普段のお食事からしっかり摂れるよう、食材を工夫したいものです。
マグネシウム:「健康食品」の安全性・有効性情報「マグネシウム」
ビタミンB12:「健康食品」の安全性・有効性情報「ビタミンB12」
これを摂れば妊娠する、といった魔法の薬もサプリメントもありません。
まずは、妊娠しやすい状態=健康なからだ、です。
そのためには、
◎バランスが良く、適量な三食
◎適度にからだを動かす
◎からだを動かした分休む。しっかり寝る
という、食事・運動・睡眠がやはり基本となります。
またストレスを溜めないことも大切ですね。
ストレスが溜まると、妊娠に必要なホルモンの分泌が不足してしまう恐れがあります。
つまり、充実した毎日と何が起こっても「大丈夫!」と笑い飛ばす「楽しみ力」が、妊娠にとって一番必要だと思います。
でもそれって、逆に、老若男女、性別・世代問わず、すべての人間の健康にとっても大切なことですよね。
結局、妊娠、妊娠ではない、といった区別はないのです。人間の健康の延長線上に妊娠があるのはないでしょうか。
私が書いています
1966年11月山口県生まれ。丙午のさそり座で、超気性は激しいはずですが、実際は…?
2009年よりながいきや本舗店長として、たくさんのお話をお伺いしています。
また、TCマスターカラーセラピスト、食育指導士としても活動しています。
家族は旦那。夫婦二人を謳歌中です。